こういうの、嫌いな人は見たらあかんねんで。あと、勝手に書いてるから嫌やったら言うて下さい。消しますから。
耳に響くインターホンの音。
そこから聞こえた、聞き慣れた声。
「あ、カザキ?アタシやよー」
「おぉ、上がれよ」
ドアを開けて出て来たのは見慣れた、やけど目を背けたくなる姿。
白が、目立つ。
いつも目が行く金髪よりも際立つ包帯の白。
先日の戦争で重傷を負ったカザキを、アタシは見舞いに来てる。
「なんや、動けるんやないの、」
「るせぇよ、これでも痛ぇの我慢してんの」
「ふふ、頑張ってるカザキに苺買うてきたでぇ」
「マジ!さすが椿」
散らかった部屋を見て溜息。
こんな事やろうと思った。
「苺食べるにしても散らかり過ぎやろ…ちょっと片付けするで!」
「おまえ母親か…」
全部とはいかんけどあらかた片付けて、台所を借りた。
苺を洗って戻ったら、部屋の中で立ったまんまのカザキ。
「怪我人やねんから、ちゃんと安静にしとってや…」
「や、椿帰ってくるの待ってたんじゃん」
ふいに言われた言葉で嬉しくなる。
カザキ自身はきっと、何気ない気持ちで言ったんやろう。けどアタシにとっては嬉しくて。
「何にやけてんだよ…」
「んー?別にー?」
にやけた顔は暫く戻せそうにない。
カザキは不満そうにしてたけど、苺をテーブルの上に置いたらそっちに気を取られたみたい。
よかった様な、ちょっと複雑な心境。
「さ、一杯食べてはよ治してや!」
「おー」
「椿が看病してくれっからすぐ治るわ」
やっぱりカザキは、何気ない一言でアタシに幸せをくれる。
綻んだ顔は、カザキには内緒。
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